Sipka(シプカ)は「すべてのものには物語がある」をコンセプトに
身につける人が物語を感じるような アクセサリーをセレクトしたショップです。
作家が作品に込めた想いは ギャラリーのような店内で丁寧に紐解かれ、
手に取った人が自由な発想で装う事で 「物語」となり循環してゆきます。
作り手が託した幾つもの物語とともに、不思議なアクセサリーとの出会いがあなたを待っています。

 植田明志「月の抜け殻の舟」

植田明志のオブジェ「月の抜け殻の舟」


 


  


10月より開催してきた植田明志個展「虹の跡」は


11月16日を以て好評のうちに幕を閉じました。


Sipkaブログでは引き続き、作品とその物語を紹介していきます。


今回は「月の抜け殻の舟」を紹介致します。


 


 


 


 


植田明志のオブジェ「月の抜け殻の舟」 


植田明志「月の抜け殻の舟」


 


夜の果てを抜けて宇宙へと旅立つ、舟を造形した作品


「月の抜け殻の舟」。


金色に輝く三日月型の船体は


途中から、抜け殻となったサナギのように割れており、


中には小さな子どもたちが乗っています。


 


 


 


植田明志のオブジェ「月の抜け殻の舟」


 


船首には植田明志作品の特徴である老人の顔が造形されています。


長い髭を蓄え、静かに目を閉じたその顔は


子どもたちを遥かな宇宙の果てへと


導いてくれるかのようです。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


植田明志のオブジェ「月の抜け殻の舟」 


 


『月の抜け殻の舟』


 


久しぶりに寝付けない夜だった。


怖い映画をみたせいかな。


ここにいたら、お化けに襲われる。


 


窓を覗くと、大きな黒いかたまりのようになった山に、三日月が引っ付いていた。


それはまるで天使が生まれるさなぎのように、


その時を待っているように思えた。


 


 


気が付くとすでに背中は割れ、中はすでにからっぽ。


宿主を無くしたさなぎは、最後の役目を終えたかのようにしんと静まり返り、


星の光に当てられていた。


星たちも、祝福しているようだった。


 


 


きっとあのさなぎの下では、たくさんの人が集まって、


抜け殻になったその皮をばりばりと剥いでいるのだ。


彼らは船乗りで、その殻で作った船はきっと宇宙のどこへでも行ける。


 


 


いつしかシロが膝の上でゴロゴロと喉を鳴らしていた。


月の舟よ、僕らをここから連れていってくれないか。


お化けが来る前に。


 


 


 


植田明志のオブジェ「月の抜け殻の舟」 


 


きらきらと輝く舟は、夜の風を受けながら


僕らを夜の果てへと運んでいく


地球がビー玉のように小さくなっていく。


 


 


 


太陽は忘れ去られていたのを怒っているように轟轟と燃えた。


見渡す限り一面に広がる無数の星たちは、


僕を歓迎してくれているようだった。


 


 


 


明日は、中学の入学式。


一番最初にできた友達に、この事をこっそり教えてあげよう。


そして、一緒にこの宇宙へと旅立つのだ。


太陽を怒らせないように、そっと。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 

Comments are closed.

名古屋 アクセサリー セレクトショップ Sipka -シプカ-

アクセサリー セレクト・オンラインショップ Sipka -シプカ- アクセサリー通販のSipka

愛知県名古屋市中区大須二丁目14番地3号エビスビル2F
Tel/Fax 052-231-7774

http://sipka.jp

http://shop.sipka.jp

過去のブログはこちら