Sipka(シプカ)は「すべてのものには物語がある」をコンセプトに
身につける人が物語を感じるような アクセサリーをセレクトしたショップです。
作家が作品に込めた想いは ギャラリーのような店内で丁寧に紐解かれ、
手に取った人が自由な発想で装う事で 「物語」となり循環してゆきます。
作り手が託した幾つもの物語とともに、不思議なアクセサリーとの出会いがあなたを待っています。

 「夢みる街」

 


植田明志「夢みる街」


 


 


「どこかの街」


 


ここは、煙に包まれた街。


沢山の煙突から一日中煙が出ている。


煙の下では、様々な飛行船が作られている。


そして、その飛行船に人々はこぞって乗り込む。


それがこの国の掟だからだ。


 


 


 


 


 


植田明志「夢みる街」


 


 


 


 


空には色々な形の飛行船が浮かぶ


みんなこれに乗って「どこか」へ向かう。


それはきっと、遠い遠いどこかの果て。


 


 


 


 


 


植田明志「夢みる街」


 


 


 


ある日、少女はこの街の大人に声をかけられた。


「君にぴったりの飛行船があるよ。」


街の大人はみな優しげだった。


 


 


 


 


 


植田明志「夢みる街」


 


 


 


連れてこられたのは、街で一番大きな工場。


その地下には広い造船上があった。


「これが君の飛行船さ。」


そう言って、大きな水槽の前に案内された。


 


 


 


 


植田明志「夢みる街」


 


 


 


 


少女は首を振っている。


大人と何か言い合っている様にも見えた。


「何を言ってるんだ。もうすぐで準備が整う。


明日またここに来るんだぞ。」


 


 


 


 


 


植田明志「夢みる街」 


 


 


 


その夜、少女は街を逃げ出した。


工場から吐き出される煙は、


少女を捕まえようと手を伸ばして来る様だったし、


作られた赤い星達は、少女を蔑んだ。


少女は街を出た後もしばらく走り続けた。


その後、少女は、倒れるように眠った。


そして、夢を見た。


 


 


 


 


 


植田明志「夢みる街」


 


 


 


 


少女は、船に乗って宇宙を漂っていた。


本物の星達の光は、少し切ない色をしている。


その中で、一際輝く光があった。


少女はその光を目指す。


 


 


 


 


 


 


植田明志「夢みる街」


 


 


 


 


それは、大きな月だった。


星達の光を受けて、金色に光った。


少女はこの月を見たことがある様だったが、


どこで見たか思い出せないでいた。


少女はこの手で触れようとしたその時、月と目が合った。


正確には、月の目の中の「誰か」と目が合った。


 


 


 


 


 


 


植田明志「夢みる街」


 


 


 


少女の心の中に、暖色の風が吹く。


なんだか安心する、心強い風。


少女は、思い出した様にはっとする。


それとほぼ同時に、宇宙が歪み始めた。


虹色の景色が少女を取り囲む。


それは竜の様に渦巻く。


それは、時間切れを示した。


夢の終わりだ。


少女は、きっとこの夢のことを忘れてしまうだろう。


でも、きっといつか思い出す。


夢が終わる、白い光の中で、少女は手を伸ばした。


 


 


 


 


 


 


植田明志「夢みる街」


 


 


 


夢から覚めると、まだ夜だった。


雲はどんよりと空を覆っていた。


冷たい風はひとつの優しさとなって、少女を包む。


ゆっくりと、確実に歩を進める。


少女は、ふと煙の街を振り向く。


励ますように、小さい背中を風が押した。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 

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