植田明志「夜の王さま」
「記憶」を媒体とした空間造形から、
ある種のノスタルジーを感じさせる世界を表現する造形作家 植田明志。
無音のような静けさと、理想的な深層心理の核心を探求する、
その作品世界は見る者の心に深い余韻を残します。
植田明志 の最新作のひとつとなる大型オブジェ作品「夜の王さま」。
通常Sipkaに納品される作品や個展用の作品とは異なり
個人のお客様からのオーダーにより作られた作品です。
オーダーの流れは、ご希望の作品のテイストや、大きさ、ご予算などをお伺いした後に
作品のラフを作成、ご確認頂いてご了承を頂いた後に制作開始。
作品の内容や大きさ、オーダーの時期により変動がございますが
約2~3ヶ月程で完成、お届けとなります。
※植田明志作品オーダーをご希望の方は info@sipka.jp よりお問い合せ下さい。
「夜の王さま」はお客様からの "山羊のような角のある作品を "という
ご要望で作られた大型のオブジェ作品。
雄々しい力強さと静謐な雰囲気を併せ持つ
ファンタジックな佇まいの作品として誕生しました。
「夜の王さま」が内包する "静"と”動" 、そして"聖"と"邪” の二面性。
正面から見た山羊角を持った姿とは別に
背部には、夜という特別な時間が持つ凶暴性を象徴するような大きな怪物のような顔と
闇に蠢くような沢山の顔が造形されています。
「夜の王さま」
彼は夜が好きだった。
夜の悲しさを知っていたし、優しさも知っていた。
そして、彼も優しかった。
夜の公園で、彼は静かに唸った。
夜を想って、胸に手を当てた。
きらきらと夜空の星たちが光った。
僕が、その不思議なきらめきに目を奪われていると、彼はもういなかった。
彼は公園の木々になって、ジャングルジムになった。
吠える犬の声になって、無数の窓明かりになった。
そして彼は、夜になった。
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