Sipka(シプカ)は「すべてのものには物語がある」をコンセプトに
身につける人が物語を感じるような アクセサリーをセレクトしたショップです。
作家が作品に込めた想いは ギャラリーのような店内で丁寧に紐解かれ、
手に取った人が自由な発想で装う事で 「物語」となり循環してゆきます。
作り手が託した幾つもの物語とともに、不思議なアクセサリーとの出会いがあなたを待っています。

 eerie-eery『 ピアノ弾きのカラス 』



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eerie-eery 個展「追憶と眠りの国 ~眠りの為の回顧展~」も残りあと数日となりました。


死の国[ アムニジア ]にひっそりと佇む歯科医院を舞台に繰り広げられる


追憶の物語と、その登場人物たちを人形で表現したシリーズ。


今回は会期途中に追加された作品「ピアノ弾きのカラス」を紹介致します。




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鳥の頭骨のような顔をした人形と診察台がセットになった作品『 ピアノ弾きのカラス 』。


人形の口の中には人間の歯型が付けられています。


診察台は元々治療を嫌がる患者の気を紛らわせる目的で


アグリとパドマの両親が作った物の一つ。


実用的でないので物置に入れられていた。。という設定です。






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『 ピアノ弾きのカラス 』



ある日アグリとパドマのもとにカラス頭の男が訪れた。


歯科医院に患者が訪れアグリとパドマが診察を行う。


これはいつもと変わらないアムニジアの日常の風景であるが、


このカラス頭の男にはほかの患者と違う点があった。





それは彼はこの歯科医院を訪れるのが今回が初めてではないという点である。


彼はアムニジアの草原の中で何度も季節を繰り返しており、


この歯科医院の扉を開けるのも何十回目か分からない程の常連になっていた。


何故そうなってしまったのかというと、


どうやら彼は頑なに診察を断り続けているということであった。






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「昔から歯医者がどうも苦手でね、削る音が耳について仕方ない。


  骨をごりごりとやる様な音も上品で無いのです。


  怖くて怖くて。


  しかしここ(アムニジア)は草が生えているばかりで他に何もないでしょう?


  そうしてふらふらと歩いているといつもどういう訳か


ここに辿り着いてしまうんですから、困ったものです」







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アグリとパドマはこのカラス頭の男に今まで何度も口を見せて貰おうと努力したのだが、


彼は口を開いてはくれなかった。


それでも話しているうちに少しずつ心が通うようになり、


最近では彼が来ると診察を諦めてお喋りをして過ごした。


彼の方も二人を話し相手にしており、いつも歯科医院で長話をするのがお決まりになっていた。







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「草原を歩くのはいいものです。


  風と空気が戯れるのを聴いていると住んでいた街の事を思い出します」


いつもの様に待ち合いのソファーに腰掛けて話し始めようとするカラス頭の男を見ながら


パドマはくすくすと笑った。


アグリはパドマが笑うのを小さく叱るとこう言った。



「では、今日は少し変わった物でも見せようかなと思います」



アグリとパドマは診察室の奥へと消えて行き、何やら大きな機械を引きずって来た。


奥から引っ張り出されて来た物は昔の診察台の様だった。


その診察台にはなんとピアノが付いていた。


しかもよく見ると鍵盤は歯で出来ている。


そしてピアノの上部には口を大きく開ける為の丸い器具が付けられていた。


カラス頭の男は驚いた様子でその機械を見ていたが、


暫くすると診察台に腰掛け鍵盤に指を置いた。






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「いろんなピアノを弾きましたが、こんなピアノは初めてですよ」



鍵盤に指を下ろす。


潤った石の空洞に響く様な不思議な音色が鳴った。




「何故わたしがピアノ弾きだと分かったんです?」




アグリとパドマは何も言わずにこにこしていた。


カラス頭の男は微笑むと嬉しそうに鍵盤を叩き始めた。








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「いい曲を弾いて差し上げましょう。



  貴女達の様な仲の良い双子の星の曲です」





遠い昔にした子供同士の約束をずっと守っているような優しい音色に包まれて


歯科医院に温かい時が流れた。



















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eerie-eery Exhibition 「追憶と眠りの国 ~眠りの為の回顧展~ 」

 

2014年6月5日(木)~7月27日(日)

 

愛知県名古屋市中区大須二丁目14番地3号 エビスビル2F

 

※地下鉄大須観音駅 1.2番出口より徒歩5分

 

 

 

 

 

 








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