Sipka(シプカ)は「すべてのものには物語がある」をコンセプトに
身につける人が物語を感じるような アクセサリーをセレクトしたショップです。
作家が作品に込めた想いは ギャラリーのような店内で丁寧に紐解かれ、
手に取った人が自由な発想で装う事で 「物語」となり循環してゆきます。
作り手が託した幾つもの物語とともに、不思議なアクセサリーとの出会いがあなたを待っています。

 マンタム「normal lamp」



マンタム,normal lamp,照明,ランプ




「normal lamp」




その世界は既に潰えていた


 終わりかけた世界の中で残された人々は現実と非現実の境界を認識出来なくなり


緩慢な死滅への道を歩み始めていた


 その中で影の夢を見る事が現実への境界を崩すものだと言う認識が人々の意識を支配するようになっていた


 つまり 影の夢を見れば非現実で その影が夢でなければ現実ということになるが


これは元々その世界の作家が作った物語の一部だった


 だが未来の無い世界の中でいつか広く人の心を支配するようになったのだ





 その為生き残った多くの人々はその物語にあるように


影の出来ない地下へと移り住むようになっていた


 その世界では今在る世界が現実かどうかを見定める為に


normal lamp という機械をその世界のあちこちに据え付けた


 その機械が発する光に手をかざしその影を認識することで


僅かの間でも現実に立ち返る事が出来るようにするためだ


 光の下でできる影をみることで人は僅かの間でもその現実に立ち返り


自分達が逃れる事が出来ない滅亡の道程にいることを否応なく再認識させられるのだ。







マンタム,normal lamp,ノーマルランプ,照明器具




作家による元の文章




「 両眼球狂 」


影のユメを見たことがありますか?


貴方の踝に纏わりつくあの影のことです。


私はある午後微睡んでいて


薄皮一枚の眠りの向こう側にいて


すっかり熱くなった電灯の下に手を翳していました。


どういうわけで電灯の下に手を入れていたのかは覚えていませんが


手の下ですっかりヌルくなっていた水の入ったガラスコップに


私の手の影ができていなかったのです。


電灯のヒカリは私の手をまるで無いもののように素通りして


ガラスコップのなかの水をぼんやりと暖め続けていたのです。


その時に初めて夢の中での影のありようというものに気がついたのですが


考えてみれば夢の中で影を見たことがありませんでした。


誰に訊いても影のユメを見たと断言しきれる者は殆どいません。


ごく僅かな確信者達も世界から孤立し、


かなり強いクスリを常用していたような人間ばかりでした。


どういうわけか見た当時脅迫観念にとりつかれて逃げ回っていたとか、


世界から孤立し薬物よってようやく自我を保っていたような人間ばかりでした。





マンタム,ノーマルランプ,照明器具





果たして


何故そういうことになるのか


影のユメとある種の脅迫概念や自己喪失性との間に


なんらかの因果律でも存在するのか?


このことは結局私からはなれることはありませんでした


影のユメというわけではありませんが影というと思い出すのが其れに纏る伝承です。


例えば吸血鬼は鏡に写らないとか、化け猫が障子に写る影でその本性が看破されたりと。


これもある種の因習や事実を伝えるものだとしたら。


或いは化生のものを非日常なものとして


その境界線に影という符合があるとすれば


現在の非日常者達と日常者達との境界をくぎるものとして


未だに存在する「鏡」の役割を果たし続けているのかもしれません。


つまり鏡に写らないもの-影を残すものが化生であるように


影のユメを見るもの-現実世界の果てまで非日常(ユメ)の残滓をひきずるもの


-非日常者-現在世界での化生-なのかもしれません。


- 中略 -







マンタム,ノーマルランプ,normal lamp,照明





つまり、もし貴方が現実生活のなかでの非現実に脅えるなら、


そしてもし非現実というものが、影という符合のなかである一定の法則性


(影のユメを見るものは非現実のなかに暮らしていて、


影のユメを見ないものはその非現実の枠の外に暮らしている)に寄り添うものだとしたら


非現実に出会わない為にはあらかじめ影の無い国の住人になれば良いのです。


そうすれば万が一影のユメを見たとしてもそれを現実として考えればいいだけのことで、


貴方は境界線をなくした時間のなかで永遠にユメを彷徨うことができるはずです。


- 中略 -






この星の終局は親星である太陽の滅亡と同時であることは間違い在りません


その時代 太陽は赤色矮星という状態に移行していて


この星からみれば地平線全体に広がるような


巨大な赤いだらだらしたヒカリにしか見ないことでしょう


たいした熱量を伴わないこの赤いヒカリは全ての資源を吸い上げた結果


一面砂漠とかし冷えきり枯渇した大地を昼も夜もなくぼんやりと照らしています


過去に比べすっかり小さくなった海と海に生きる原始的な藻が


陸地に残された僅かな生き物と最後の文明のために


空気を循環させぎりぎりの命を保っています






マンタム,ノーマルランプ,照明,ランプ





既にヒトと呼ばれた種は何千回も滅び


また違う傍系の生物から進化してこの星に寄生しました


遥かな宇宙に新しい星(ホスト)を求めて船に乗ったヒトも多くいましたが


その多くは2度と帰ってくることはありませんでした


彼等は残され記録された過去の文明の残滓をすり合わせ


僅かに残された生存への可能性を模索しようとしたのです






彼等はちょうど過去の文明が何度も向き合った末世的な世界を迎えつつあり


過去から営々と進化と言う方向からそれて生き延びてきていた深海の生物たちに着目し


その研究を行うため砂漠に深い縦穴を堀り、その砂の重みを動力源にしながら


水槽に圧力をかけ多種の深海魚を飼い


その生態から生き延びる為の方法を探しだそうとしていました







マンタム,normal lamp,ノーマルランプ,照明作品




影のユメはそんな世界のなかで生まれた生存のための方法論でした


彼等はその理屈に従い、影が出来ない暗がりの中でのみ生活し


また、更なる動力をえるために、縦穴を掘り続けなければなりませんでした


もう、一体どの位の深さに沈降したのかわからなくなったころに


地上では最後の熱核戦争が勃発し、地上の人間の多くは影だけを残して灰と化し、


地底の生き残り達は、影の出来ない世界の住人として


あやふやな生にしがみつくことになったのです。


以下略












マンタムの照明型オブジェ作品「normal lamp」は現在開催中の個展


「記憶の残骸物とそれを照らす為の月」で展示販売中です。


購入ご希望の方は info@sipka.jp までお問い合せ下さい。












 




マンタム,個展,名古屋,大須






マンタム個展「記憶の残骸物とそれを照らす為の月」


2014年2月5日(水)~3月16日(日)


愛知県名古屋市中区大須二丁目14番地3号 エビスビル2F


※地下鉄大須観音駅 1.2番出口より徒歩5分












 


コメントを書く

名古屋 アクセサリー セレクトショップ Sipka -シプカ-

アクセサリー セレクト・オンラインショップ Sipka -シプカ- アクセサリー通販のSipka

愛知県名古屋市中区大須二丁目14番地3号エビスビル2F
Tel/Fax 052-231-7774

http://sipka.jp

http://shop.sipka.jp

過去のブログはこちら