マンタム「鳥の王の足のプレート」と「水かきのある鳥の足の護符」
日本一クレイジーな骨董店「アウトローブラザーズ」を営む傍ら、
動物の剥製や骨格、様々な古物などを融合させ、
唯一無二の作品を制作する現代の錬金術師・マンタム。
チェコのシュルレアリスト~映像作家のヤン・シュヴァンクマイエルをはじめ、
様々なクリエイターとの親交でも知られています。
かつて空を覆い尽くしていた鳥達、その殆どが地上に堕ち、
滅び行く世界における少年と鳥の王の物語「鳥の王」。
マンタム自身の筆による壮大な物語から派生した作品
「鳥の王の足のプレート」と「水かきのある鳥の足の護符」の紹介です。
空は見た目は変わらないが それでもそこに鳥の姿を見ることはなくなってしまった。
かつて空を覆い尽くしていた鳥のそのほとんどが地上に墜ち
墜ちた鳥はヒトによって焼かれて海に流されてしまったからだ。
王は飛べない空を作った原因の一つであり 今なお毒を吐き続ける
ヒトの作り出した忌まわしい建造物を封じる以外には少年を救えないと判断し
同胞の中から帰ることの出来ない旅に出る仲間を選んだ。
選ばれた478の同胞はそれぞれに身を守るための防具をつけ
毒を吐き続ける建造物を攻撃するだろう。
その周囲のすべてが飛べない空であり
羽が動かなくなるまでのわずかな時間のなかで
最初で最後の攻撃は行われるであろう。
鳥の王は先頭に立ち同胞を従えて
黄昏の空を舞うだろう。
『鳥の王 ~Král o ptácích~』(本文より)
鳥の王とその眷属達の攻撃により、衰退する未来に残された人類は
やがてその鳥達の残骸を使って、自らを守る為の護符をつくるようになり
それは高価に取引されるようになった。
これは鳥の王の眷属だった鳥の残骸から回収され
錬金術師によって護符として作り替えられたもの。
ガラス容器の中には水銀と硫黄が封入されていて、
最初の頃はその力で動いていたとされている。
残されたわずかな同胞を守り、未来に子孫を残す為に鳥の中から生みだされた王。
これは、誇り高い空の支配者の末裔である「鳥の王」の
元々3本あったとされる足のうちの一本を、最初に捕獲した時に切り離し
鳥の王の超上的な能力を削ごうとしたもの。
その後プレートに封印され、司祭の護符として使われていたが
やがて鳥の王とは離れたところに土中深く埋められることになった。
|