煩悩の偶像 ~ mother tree
フクムラユキ 「愛してくれないなら死んでしまえ」
廃材 アクリル ジェッソ(33.5)
フクムラユキ個展「あの暗やみのさき」も残すところあと2日となりました。
今回は平面作品と共に展示・販売中の木彫り作品、
「煩悩の偶像」と題された彫像たちを作家自身の言葉と共に紹介します。
仏様のようであったり、道祖神のようであったり様々な姿の彫像たち。
全てフクムラユキ自身が拾い集めた廃材から彫り出されています。
フクムラユキ「仕返し」「嗜眠思考」
廃材 アクリル ジェッソ(11.5)(11.0)
「 特定の宗教を持たない私は けれどもいつのまにか祈っている。
宗教美術を美しいと思うし、それらに触れると、指先から神聖な気持ちになる。」
フクムラユキ 「 戦争の副産物 」
廃材 アクリル ジェッソ(15.0)
「 仏像の静謐な美しさから感じる強い悲しみ。
沢山の勝手な祈りや懺悔を受け入れてきた彼らの事を想い
おぼろげな神様像を以って黙々と手を動かす間、
心にめぐるのは煩悩ばかりで、 でもきっと、
この煩悩を受け入れること(煩悩を持っている自分を受け入れること)が
静謐な気持ちへと至る第1歩なのかもしれないという小さな事実に
きちんと気付けたのは大きな収穫だったように思う。」
作家在店日に、展示スペースに面した窓に少しづつ描かれていった
ライヴペイントも完成しました。
「mother tree」と題された絵物語は、フクムラユキ自身が
今展示に際して書き起こした詩から発展させたもの。
" 祈るものと祈られるもの
仕舞うものと仕舞われるもの
それらはひっくり返ったりひとつになったりしながら
ぐるぐると廻っている。"
あの子の心臓や
薄い肺
背骨をひとつ
ポケットにしまう
静かに波にあらわれて
まるくまるく
小さくなる
静かに波にさらわれて
魚のお腹のなかへ
遠くで祈るひとたちの
血になって
肉になって
もう一度
手のひらに のせるとき
どんな美しい色をして輝くのか
いつか
あの暗やみのさきで
フクムラユキ個展
「 あの暗やみのさき the place beyond the dark 」
2012年3月20日(火)~4月23日(月)
愛知県名古屋市中区大須二丁目14番地3号エビスビル2F
※大須観音駅1.2番出口より徒歩5分
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