バフォメット~骨の中の悪魔~自動審判機械
「Baphomet~バフォメット」
多くの人が悪魔の姿・形と問われてて思い浮かべるであろう
山羊の頭部に黒い翼を持つ、黒ミサを司る悪魔。
19世紀にフランスの魔術師エリファス・レヴィによって描かれた
「メンデスのバフォメット」が有名です。
マンタム個展「錬金術師の遠望」で展示・販売中の作品のひとつ
「Baphomet ♯4」。
「何度も作り直されるBaphometの類型であり、悪魔の雛形。」
とマンタムが語るように同モチーフのシリーズの4作目となります。
作品には、山羊の頭骨が用いられ、悪魔の両性具有性を象徴するように
頭部に男性器と女性器が付けられています。
『 骨の中の悪魔 』
時間はガラスのナカで作られている。
それはもうヒトが生まれる前のはるか古(いにしえ)から。
ガラスのなかで時間を紡ぐのは<骨のナカの悪魔>にあたえられた仕事だ。
ガラスのナカにはタクサンの白く乾涸びた骨が転がっている。
それは悪魔や神に言葉巧みに惑わされ
ガラスに引き込まれてしまった人間達の哀れな骸だ。
その骨のなかに悪魔は住み着いていてガラスのなかに引き込まれた
哀れな人間を使って時間を紡がせている。
「骨のナカの悪魔」より
『 自動審判機械 』
壊れたレンガ壁の向こう側から見つかった奇妙な装置
歪んでネジ曲がった様々な金属で作られた大掛かりな計量器らしきものが
貼付けられ、中央に配された煤けた猿の頭骨に月の光を
あてるように工夫されていた。
ホムンクルスと称される人工生命体を産み出そうとしていた
ある錬金術師によって作られた
人の持つ原罪を物理的に把握する為に作られた魂の重さを計る機械。
それが可能であれば人は原罪から逃れ得る存在となる可能性があったが
全ては戦争により失われてしまった。
「錬金術師の憂鬱」より
ここに紹介した文章は、展示されている "がらんどう" たち
の背景となる物語のほんの一部です。
展示スペースに授けられた作家自身の筆による
お話が書かれた本を是非ご覧頂ければと思います。
マンタム個展「 錬金術師の遠望 」も残すところあと二日となりました。
未見の方はお見逃しないようお気をつけ下さい。
マンタム個展 「 錬金術師の遠望 」
2011年9月2日(金)~9月28日(水)
12:00~21:00 火曜定休
※最終日は20時までの営業となります。
Sipka 愛知県名古屋市中区大須二丁目14番地3号エビスビル2F
※大須観音駅1,2番出口より東に徒歩5分
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