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マンタム個展「記憶の残骸物とそれを照らす為の月」フライヤー

マンタム個展「記憶の残骸物とそれを照らす為の月」

2014年2月5日(水)〜3月16日(日)

日本一クレイジーな骨董店「アウトローブラザーズ」を営む傍ら、
動物の剥製や骨格、様々な古物などを融合させ、
唯一無二の作品を制作する現代の錬金術師マンタム。

チェコのシュルレアリスト~映像作家の、ヤン・シュヴァンクマイエルをはじめ
様々なクリエイターとの親交でも知られています。

死より生まれる新たな文化をコンセプトに
有機物(動物の死骸)と無機物(骨董)を生み出されるマンタムの作品群は
グロテスクなにもプリミティヴな力強さと奇妙な美しさを感じさせます。

名古屋では約2年振りとなる今展示
「記憶の残骸物とそれを照らす為の月」では
アーティスト・マンタムの原点であるシュルレアリスムに立ち返り、
新たに作り起こされた作品の数々と、
作家自身による骨董や廃材を組み合わせた独創的な空間を体験して頂けます。






「マンタムとシュルレアリスム」

シュルレアリスムとは何か。

超現実(シュルレエル)とは、
私達が何となく現実と思っている感覚では捉え損ねる現実である。

境界があって、その境界のどこかにある
入り口をくぐってたどり着く異界ではなく
現実と地続きに存在する。

つまりシュルレアリスムは幻想の世界を紡ぐことではない。

マンタムのシュルレアリスムを見てみよう。

例えばまず現在Sipkaに常設されている「永久機械」

水桶の中に水が滴り落ちはすれど、一向に桶の中の水嵩は増す気配がない。
この機械は、我々に「現実を推し測るときの物差し」自体を疑わせる。
シュルレエルを直截的に現すのではなく「何となくの現実」(レエル)を疑わせることで、
超現実(シュルレエル)を示唆している作品とは言える。

文学から始まったシュルレアリスムは、
アンドレ・ブルトンの自動記述の実験によって超現実を発現させる事を目指した。
美術のシュルレアリスムは「デペイズマン」と呼ばれる手法を使った。

デペイズマンとは「国を追放すること」。
つまり事物を本来あるべき場所ではない別のところに配置することである。
「本来ある場所」と言う主観的価値から切り離し、
オブジェ(客体)化させるという試みである。

しかし、マンタムの作品は、関連性のない二項が思いがけない結びつきをしているように見えて、
そこには物語により必然性がもたらされている。
よってオブジェでなければ、気まぐれな偶発事故でもない。

同じくSipkaに常設されている「オリンピア」に眼を向けてみれば、
伽藍堂で中に鳥が詰め込まれていることの必然性に気付かされるだろう。

更にマンタムの書く物語だが、これはただの空想(ファンタジー)だろうか。

書籍化された「鳥の王」は、2011年の東日本大震災の津波の被害や
原発事故による放射性物質の拡散を受けて、マンタムが書き上げた。
現実との関わりから生まれた、現実に対する確信とも呼べる「予感」に立脚して書かれている。
浮き草のような空想ならば、レエル(現実)との関わりを持たず、
悲痛な現実からの「逃げ場」としてのみ機能するが、そうではない。

物語においてもレエルとの連続性は失われない。
むしろマンタムのシュルレアリスムは、オブジェとしてだけあるシュルレアリスムより、
よりレエルとシュルレエルの紐帯を顕著に示すものであるように思われる。

参考書籍「シュルレアリスムとは何か」巖谷國士

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